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日野川 あさ

Author:日野川 あさ
奈良のエネルギーワーカーです。
主にネットでヒーリングやチャネリングの活動してます。

○伝授・ヒーリング等のサイト
”PRISMATICA”

○天然石とアクセサリーのショップ
プリズマティカのサイトに併合しました。

○アメブロの普段日記
”スジャータさんのメモ帳”

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前世の考察 4

<チェザリーニ邸>
チェザリーニ邸の敷地内には小さな森があり、そこは大変きもちのいい場所だった。
株立ちの細く背の高い木が多く、冬の今は落葉しており、夏は美しい青葉を嫌みなく茂らせていた。
地面は枝や落葉して茶色くなった葉が一面に敷き詰められていて暖かみを添えている。

森の手前には品のいいガゼボやベンチがあり使用人達はそこで休憩してもいいことになっている。森の入り口はわかりにくい。だが小道があり円錐に手入れされたツゲ添道沿いにあり、放置された森ではないことがわかる。

その道を少し入ると池がある。池には東洋の美しい赤い魚が優雅に泳いでいる。そしてその広場を右におれると開けた場があり、木もそれまでよりも高い木が取り囲んでいる。外からは見えにくい場所になっていた。
その場には井戸があった。

とても古いもので、もう使われておらず土で穴を埋められており、10センチほどの深さの水がたまっていて、手をのばすと底をさわることができる。
冬にはいないが、夏はあめんぼが元気よくすべっていて水草も浮いている。

ここはニナッハのお気に入りの場所だった。彼女をつつんでくれる空間。そんな場で落ち着くのだった。
彼女はひまをみつけてここに来て、だれにも邪魔されずに歌の練習をしていた。
ニナッハの声は少ししゃがれた声が木立に反射し時折こだまする。それは御世辞にもうまいとは言えなかった。

だが彼女はかまわず自己流で練習をしていた。歌い終わるとその井戸にコインを投げ入れた。観客にはそこに代金を投げてもらうのだ。
彼女は歌手とお客の両方の役をこなし、歌い終わると拍手をしながらコインを投げているのだった。
いつか・・・・オペラの端役でもいいので出てみたかった。
彼女の声でそれは望むことは身の程知らずだったが、そんな夢を見ながら一人きりの時間を楽しんでいた。

チェザリーニ公爵はアルジェンティーノ歌劇場での、あたらしい出し物(オペラ)は、ロッシーニに決め、台本はわずか30年前に初演されたパイジェッロの「セビリアの理髪師」とすることに去年から決めていた。2月がくるというのにまだ肝心のロッシーニから曲が出されない。
公爵のいらいらは最高潮だった。ピーボはロッシーニのところに日参しまだかまだかとせっついていたが、のれんに腕押しぬかに釘で、もう公演が2週間前とせまっていた。

「だからいい加減なやつと仕事するのはいやなんだ!!!」
公爵がとつぜん大音声を発し椅子を蹴飛ばした。

ピーボはめずらしくおろおろして「まもなく仕上がると今朝はいってました。」
「ふんっ やつの間もなくは明日明後日1週間後だという意味だ!あてになるものか!!」

そこへピーボがロッシーニのところに張り付かせてせっつかせてた部下が入ってきた。
「できあがりました!!!!!」

おお・・・
その場にいた全員から安堵のため息がもれ緊迫した空気が緩んだ。
やっと曲ができた。さあこれからだなどと小さな声で談笑する気が早い者もいて、公爵が譜面をチェックする紙の音まじりに聞こえてきた。
チェックが終った公爵が部下にいぶかしげ見て、尋ねた。

「序曲は・・・・・?」

なんと序曲がの譜面がなかった。
大急ぎで部下がロッシーニのところに行き、また舞い戻ってきた・・・。

「・・・・。」
部下は非常に言いにくそうな表情で目を泳がせ言葉を取り繕おうとしているように見えた。
公爵はするどい視線を気の毒な部下に向けて開口一番の言葉を待っていた。
正直に言わないとただではすまない雰囲気であることはだれの目にも明らかであった。


「序曲を書くのを忘れてたそうです。」





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