FC2ブログ
カレンダー
プロフィール

日野川 あさ

Author:日野川 あさ
奈良のエネルギーワーカーです。
主にネットでヒーリングやチャネリングの活動してます。

○伝授・ヒーリング等のサイト
”PRISMATICA”

○天然石とアクセサリーのショップ
プリズマティカのサイトに併合しました。

○アメブロの普段日記
”スジャータさんのメモ帳”

最新記事
最新トラックバック
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
メッセージ

名前:
メール:
件名:
本文:

ブックマーク
Powered By 画RSS
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR

前世の考察 3

<死>
ニナッハは街を彷徨していた。粗末な服に長いくろずんだエプロンはところどころやぶけており、体は傷ついていた。病気になっており熱もでていた。
もうろうとする意識のなかでは何も考えられず半開きの口からはがさがさの舌がでかけていた。喉が相当かわいているようだ。

ニナッハはぼうっとした視界の中で酒場を見つけた。
(ここにはサルディーニがいる・・・)
サルディーニというのは中年太りしたはげあたまの大男でおそろしく酒を飲む陽気な男だ。サルディーニとは知り合いだった。水がほしかった。酒場の扉を開いた。
サルディーニは入り口付近にすわっていた。彼はこのお店の用心棒のようなことをしながらただ酒にありついていた。酒焼けした頬と鼻で赤ら顔だ。

ニナッハが店を見回しているとサルディーニのほうが先に彼女を見つけた。彼は酒を今まで飲んでいたとは考えられないほどの素早さで立ち上がり、立てかけたあった悪漢を追い払うためのこん棒を手に取り、ニナッハに出て行けと叫んだ。
ニナッハはサルディーニと呼びかけようとしたその瞬間、鬼の形相で彼はニナッハをこん棒で殴りつけた。魔女はこの店から出て行け!そんなことを叫んでいたように思う。殴打は店の主人がとめるまで続いた。他の客はパフォーマンスとしておもしろがってみていたが、店の中で死なれては困ると思い主人はとめたのだ。

ニナッハは店の外に蹴りだされ、しばらく倒れたままの姿勢で動かなかった。
じりじり照りつける太陽が彼女の体から水分を奪って行く。
ニナッハはのろのろ立ち上がりテヴェレ川のほうに向かって歩いて行った。
テヴェレ川の河川敷におりると砂利の上にすわる。近くにはマルケッルス劇場があり今日はなにか出し物があるようで騒がしい音がする。

名前をよばれ方向をみた。学生だったフィリッポだ。彼はやさしい男だ。ニナッハはせいいっぱい魅力的に微笑んでお願いだから水を少しのませてくれと頼んでみた。そのとたん彼は橋の上で様子を見ていた友人たちのほうを振り返りどこかの異国語で叫んで両手をおおげさにひらいてみせた。友人達はおどろいてから、腹を抱えて笑いだした。フィリッポも同じように下品に顔をくずして大笑いしてからニナッハを見てつばを吐きかけ、汚い女は早く死ねというようなことをいって立ち去った。

ニナッハは汚れたテヴェレ川の水をみた。そして川の中にはいっていった。水のなかで体を浮かせる。漁村出身の彼女は泳げるのだ。体を浮かせて腐ったニオイのする水をすすった。近くの劇場でからニナッハが超絶的に愛してやまなかったあの序曲が聞こえてきた。実際にはイングランド女王エリザベッタをやっていたのであるが、ニナッハはセビリアの理髪師をやっているのだと思った。
しあわせだった。
その瞬間彼女は足を誰かにつかまれた。水の奥にひきずりこまれそうになる。とても強い力を感じた。ニナッハには抵抗する力は残っていなかった。序曲だけが彼女の耳に残りそのまま深くにごった水の中に引きこまれていった。

Comment

非公開コメント